日本でオンライントレードが普及したのは、株式委託手数料の自由化(1999年)、インターネットの普及の後のことでした。しかしそれ以前にも、パソコン通信を使ってオンラインで株を取引するシステムがありました。
パソコン通信は"閉じた"ネットワークで、モデムを使ってプロバイダに接続するもので、インターネットと似てるけどちょっと違うものです。
その中でも有名なのが、家庭用ゲーム機「ファミコン」を端末とした「ファミコンホームトレード」です。登場は1988年と古いです。
http://www.ne.jp/asahi/oroti/famicom/ish08.html
そしてホームトレードというサービスがいわゆる株取引を家庭でやっちまおう!っていうサービスだ。ファミコンでウン百万を動かそうっていう、いかにもバブリーな連中の発想だ。
関連書式も何冊か(ぐぐってると、こんな題名の本があった↓)出てたらしく、それなりに普及したんでしょうか。
ファミコンホームトレード こうやって儲けろ!
ファミコンで株式入門
パソコンファミコン株式ホームトレード入門
ホームトレード最前線
メインは野村だったみたいですけど、いくつかの証券会社がサービスに対応してたみたいですね(1番上の本の目次より)。
野村証券−ファミコントレード
山一証券−サンラインF‐3
大和証券−マイトレード
日興証券−ホームトレードワンFC
ちなみに、ファミコントレードは、任天堂の通信ネットワーク構想という当時としては野心的な構想の一環でした。通信ネットワーク構想は、ファミコントレード以外はあまり普及しなかったそうです。
http://www.geocities.co.jp/Playtown/4007/phy07d.html
1988年(昭和63年)、山内はファミコンをコアとした通信ネットワークの構築を始める。
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様々な用途の通信サービスが始まったものの、どれもぱっとしなかった。ファミコントレードはそれなりに普及したが、他は出足から不調だった。 心理的な問題として、ファミコンという子供用玩具で金融取引は無理がある。逆ににファミコンを使った通信教育や運動には、デメリットが生まれてしまう。
最大の問題点は通信環境だった。日本の一般家庭には電話回線が一本しかないから、長時間塞がれて困る場合が多く、通信にかかる料金も馬鹿にできない。
こんなのものあった。
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