ダイエットとは違う

落ちれば死という、綱渡り「Brave Men Road(勇者たちの道)」の参加者にカイジは真っ先に手を上げる。止める佐原に対しカイジは次のように言う。

競争じゃねえ

この条件は異例なんだよ
さっきやった橋に限らず
この世は利せんと考えたら
必ず他人と競争だ
必ず他人を押しのけなきゃならない
この機を逃したらもうありゃしねぇよ
今回みたいなこと

トレードはダイエットに例えられることがある。「食事制限と適度な運動」という正しい方法を継続的に続けることで、ダイエットは必ず成功する。ダイエットが成功しないのは、自分をコントロールできず、誘惑に負けドカ食いドカ呑みしたり、お気軽簡単なダイエットを求めて「最新式のナンタラ理論」とかを試して失敗を繰り返しているからだ。この"ダイエットとトレードが(上記の意味で)似ている"という例えは一部はそうだと思うし、一部はそうは思わない。

他人との戦い

"長期の投資"ではダイエットにおける「食事制限と適度な運動」のような王道的な方法があり、自分をコントロールしてその王道投資を続けることが確実な方法だと言われている(長期投資はまじめにやったことないので本当に本当かは知らないが少なくともそうかもなぁと思える)。しかし短期トレードにはそのような王道はない。定石はあるかもしれないが、ゼロサムゆえにその定石から先の駆け引きが勝負を決める。ダイエットならみんなが成功ということもありうるが、短期トレードでは誰かは負ける。

自分との戦い

うん十、うん千億といった資金を運用する機関投資家と異なり、零細個人投資家からみると、株式市場は十分巨大である。自分の他のトレーダーすべてが敵というわけではないし、知り合いのトレーダーと利益を競争しているわけではない(切磋琢磨、情報交換するのはよいが、あいつに負けてたまるかと焦って下手なトレードをする必要はない)。自分のペースで、勝てると思う場面だけでエントリーすればいいのだ。皆が注目するような一攫千金や儲けのチャンスをゲットしなくても、自分だけの釣り場で細々と稼いでもいいじゃないですか。そういう意味では、短期トレードは自分との戦いで、ただ黙々と自分がやればよい。