英語: El Farol Bar problem
経済学者のブライアン・アーサーにより考案されたこんな問題。
郊外にエル・ファロルという生演奏が聞けてお酒もおいしい雰囲気のいいバーがある。このバーは空いているときは素晴らしいのだが、混んでくると不快になる。条件を具体的にするため、バーの収容人数は100人とし、60人以下であれば混雑しておらず、いい雰囲気とし、60人を超えると、混雑で不快だとする。
ここで、バーに行こうかどうか迷っている人は、来場者が60人以下だと予想するなら、バーに行くだろうし、60人を超えると予想するならバーに行かないはずだ。なお、このここで常連客が連れ立って行くようなことはないとする。また、個々人の判断は、過去にバーに行ったときの経験から行うものとする(演繹的な判断には複雑すぎる問題ということで、過去の経験から帰納的に判断を行うとする)。
バーに行くべきか、いかざるべきか?
この問題は、さまざまな研究者によりルールが追加され、検討された。その結果、個人の判断基準が十分多様であれば、回数を重ねると、バーの人数は最終的には混雑のしきい値である60人におちつくらしい。
この、エル・ファロル・バーのような少数派が利益を得るようなモデルは、ゲーム理論の分野で、マイノリティ・ゲームと呼ぶらしい。
株式市場でも参加者が多様であれば市場は効率的になる(そうでないときにバブルや大暴落になったり)とか、市場で利益を得るには少数派になることが必要とか、そんな話に通じるものがあると思った。
・書籍「投資の科学」よみがえるケインズ
・Wikipedia(en) El Farol Bar problem