作成 2007/1/26

納豆でダイエット?

株式市場ではマスコミに取り上げらた銘柄が突然活気付くことがあります。特に普段注目されていなかった流動性の薄い銘柄に注目が集まるとイッキに買い上げれます。

納豆で火がついた篠崎屋の日足チャート

2007年1月7日(日)、当時の人気健康番組「発掘!あるある大事典II」で新ダイエット食品として納豆が取り上げられました。次の日からスーパーでは納豆が売り切れるほどの人気ぶり。納豆メーカーは突然のブームにうれしい悲鳴を上げたそうです。

上場している納豆関連銘柄といえば、篠崎屋(2926)と旭松食品(2911)。普通「TVでとりあげられた」材料で盛り上がる場合は、翌日すぐ盛り上がるものですが、納豆関連には火がつきませんでした。10日ごろになると納豆人気でスーパーで売り切れニュースもちらほら出てきましたが、さっぱり動きはありません。株式市場全体が、年が明けてから、暴落つづき。地合につられて納豆銘柄も値段を下げていきます。

しかし地合が変わります。株式市場は11日(木)に底をつけ、12日(金)から切りかえします。ここで納豆銘柄も火を噴きます。12日、篠崎屋(2926)はイッキにストップ高。

http://today.reuters.co.jp/investing/FinanceArticle.aspx?type=hotStocksNews&storyID=2007-01-12T052208Z_01_nTK3043968_RTRJONT_0_MnTK3043968-1.xml

[東京 12日 ロイター] 篠崎屋(2926.T: 株価, ニュース , レポート)がストップ高。豆腐の製造で名前が知れているが、納豆も手掛けているため、スーパーなどで売り上げが急拡大している納豆の関連銘柄として買いを集めている。株価は11日に最安値2万5100円まで下落していただけに、値ごろ感も注目されたとの見方も出ていた。

土日をはさんで、15日(月)、出来高の急増を伴ってさらに急騰します。荒い動きをしながら、その週末の19日(日)には31000円で引けます。一時、思惑的に急激に買い上げられましたが、実際納豆人気がつづくなら、業績にも大きくプラスになるはずでした。

しかし21日(日)、衝撃のニュースが流れます。納豆がダイエットに効くという実験は実はヤラセだったそうです。

http://www.kabushiki.co.jp/single/kshp041-02.jspx?id=00011048E142F23FD46A8977697AC63F

フジテレビが続落、情報番組でデータねつ造、納豆関連株も売り優勢 01月22日 17:16

フジテレビジョン <4676> が続落。7000円安の27万6000円まで売られた。
 納豆のダイエット効果を取り上げた情報番組「発掘!あるある大事典2」(1月7日放送)で実験データねつ造があった問題で、フジテレビ系列の関西テレビ放送(非上場)は21日、おわび放送を流した。
 市場では、「不二家 <2211> の期限切れ原料使用問題もあり、個人投資家は敏感になっている。ねつ造が氷山の一角にすぎないとすればスポンサー離れが進む恐れもある。ただ、株価への影響は短期的なものにとどまるのではないか」(ファンドマネジャー)との指摘があった。
 納豆関連株として上昇基調にあった銘柄も売り優勢。旭松食品 <2911> は一時85円安の743円まで売られ、篠崎屋 <2926> は3190円安の2万7810円まで下げた。

[ 株式新聞ダイジェスト ]

22日(月)、納豆関連銘柄は特売気配ではじまります。しかし、寄り付いた後は、株価をもどし、ショックのニュースのわりには無難に引けました。

その後、番組は打ち切りになり、番組関係者は減俸、解職などの処分を受け、制作会社の日本テレワークは社長が辞任しました。この事件では、捏造という大きな事件で影にうもれましたが、番組内容を大手スーパーに事前にリークしてたなどの問題(?)も取り上げられていました。

フジ系列 『発掘!あるある大事典II』、放映前に内容が大手に漏洩
http://news.livedoor.com/article/detail/2977621/

フジテレビ系列の『発掘!あるある大事典II』は前まえから「放送内容が事前に流通サイドに流れている」という噂があった。大手スーパーがそれらTVの放映情報を元に、該当商品を大量に買い占めている、という内容だ。このため、零細商店は影響をこうむり数日間、ときには数カ月に渡って欠品状態が発生しているのだ。

TVの仕掛けに乗って一目散にスーパーに走る人たちも何ですが、馬鹿な視聴者を馬鹿にした制作スタッフのモラルのなさが露見した事件でもありました。


↑TOP [その時株価は]へ
/HOME [ミスターマーケットの気まぐれ]へ