作成 2005/7/17

優待を狙え3

売買記録

9681 東京ドーム(東証1部)

日付        売買     枚数   価格
2005/1/25  信用売    2000   492
2005/1/26  信用売    2000   494
2005/1/26  信用売    2000   497
2005/1/26  信用返買  6000   510

-124,441 / 2日
(うち配当落調整金 -27,900) 

出来事

配当落狙い売りは、総じてうまく行っていた戦術でした。しかしこの取引では、これまでない値動きで大きな損害を出しました。

1月優待、今回狙ったのは「東京ドーム」。権利付最終売買日には株価は高値圏にあり、権利落ち日にはいかにもストンと落ちそうな株価に見えました。僕は権利落ち前の最終売買日に2000株空売りを入れました。

翌日寄り付きで、下がりません。通常少なくとも「配当分」の株価は下がるのが普通ですが、前日終値から3円安です。しかもそこから株価が上昇してきました。これまでいくつかの優待銘柄or高配当銘柄を空売りしてきましたが、株価が直近安値付近にある銘柄は上がる場合がありましたが、こんな高値をうろつきながら、さらに上げてくる銘柄なんてありませんでした。僕は思いました。

こんな値動きはありえない

きっと株価は下がるはず。そう思った僕は、494円で2000株空売りのナンピンを行いました。しかし、それでもさらに株価は上昇します。さらに僕は497円で3000株の空売りのナンピンを行いました。それでもさらに株価は上がり、とうとう500円を超えます。前場は終わり後場はさらに高値を追い510円を超えてきました。

もうダメぽ

僕は510円で損きりました。。。

考察

「ありえない」なんてことはありえない

1年にも満たない株の経験で、「ありえない」なんて判断を行うのは間違っていました。何十年のキャリアのある人でも「ありえない」と思う事態がありうるのに、ありえないなんてありえません。「ありえない」ことが起こった場合は、熱くならず、冷静な対処が必要でしょう。

こんな感じ?

ナンピンは危険

普段はあまりしないのですが、この日はナンピンしてしまいました。しかも2回も。ナンピンは平均売買単価をならしますが、さらに予想と逆に株価が動くと大きな痛手となります。ナンピンもタイミングによってはアリですが、ここで損切らないという行為自体が一つの大きな選択です。さらに掛け金を増やすナンピンを行うというのは、それだけの確信があるのかどうかよく考えてみた方がよいでしょう。

この時は考えもしませんでしたが、自分のシナリオと違って、動きが逆であればドテン返しで、売りから買いにまわるという方法もありました。

空売りの踏み上げ

信用売が多い銘柄は「踏み上げ」が起こる可能性があります。また、優待狙いの人は配当落ちの価格下落のヘッジとして、現物買いに加えて空売りを行っている場合があります(ただし単に優待狙いの人は現引きするので踏み上げにはならないかもしれません)。

ブームに気づけ

後で知ったことですが、このころから「土地、資産株」ブームが密かに進展していました。東京ドームも都心に大きな土地をもっているということで資産株候補になっていたようです。この後も東京ドームは上がりつづけ3月には、660円をつけています。

まとめ

配当や優待を取った後に、株価は下がる場合が多いですが、必ず下がるとは限りません。翌日の地合がよかった場合や、その他の好材料がある場合、下がるどころか上がることさえあります。

この配当落ち狙いは、今回は損失を出しましたが、慎重に行えば、そう悪い戦術でもない気がします。人間は最近の出来事に過剰に反応する傾向があるため、1%の配当の銘柄が1%以上下げることも多くあります。実際、このやり方で何度か利益を出しました。しかし好地合のときには売り方は不利なのと、調整金が後になって忘れたころにかかるのが、ちょっとイヤで、現在は、この戦術はほとんど使っていません。

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