作成 2007/2/14

含み資産関連銘柄(土地)

地価の下げ止まり、M&Aの注目などとあわせて、毎年含み資産関連の銘柄が話題になっています。ここでは、主に土地についての含み資産関連銘柄について挙げます。

インパクト

日本人は土地というテーマが好きなようで(一度見たバブルの夢?)、含み資産関連銘柄は息が長く、繰り返し物色されています。

土地の時価が上昇すると、思惑でなく実際に資産評価が増えます。とは言っても、企業は本業に関わる土地を手放すことはできませし、資産で評価するというのがどこまで適切かというのも難しいところです。

しかし、本業が不調で売り込まれた(収益で評価された)株ならば、資産の面から再評価してみるとお買い得です。また、資産割安銘柄は、M&Aなどで狙われやすいとも言えますので、それも期待しつつ気長な釣り師のような投資をしてみるのも面白いかもしれません。

時期

地価に関する発表が毎年、何度かあります。主な地価発表イベントに以下のものがあります。この発表前に含み資産関連銘柄が人気になることがあります。

イベント 発表日 説明
公示地価 3月下旬  国土交通省が1月1日時点の地価調査結果を発表
路線価 8月下旬  地価公示価格、売買実例価額などをもとに国税局が決めて発表
基準値標準価格 9月下旬  都道府県が7月1日時点の地価調査結果を発表

参考

不動産には5つの価格がある
http://www.toushi-homes.jp/contents/column/p-05/

国土交通省 土地総合情報ライブラリー
http://tochi.mlit.go.jp/

含み資産銘柄は貸借倍率が買い方に有利になっていることも多いです(収益だけから考えると、買われすぎていると考えての空売り?)。また、不動産は金利の上下にも敏感に反応します。土地含み資産というテーマは、息の長いテーマですが、息が長いということは、サプライズも少なく、瞬間的にはそれほど吹かないともいえます。地価公示以外の要因も考慮しつつ、うまく押し目を拾うのが賢い投資かもしれません。

関連銘柄

地価が下げ止まり、上昇しているのは主に都心です。地方でなく都心に大きな土地をもった会社が含み資産銘柄として注目されます。業種としては、不動産、鉄道、倉庫など。その他都心に土地を持つ遊園地、映画館、ホテルなども注目されます。

コード 名前 種類 説明
9671 よみうりランド レジャー 船橋、川崎競馬場、船橋オート、よみうりランド
9672 東京都競馬 レジャー 大井競馬場、東京サマーランド
9681 東京ドーム レジャー
9722 藤田観光 レジャー 椿山荘
9633 東京テアトル レジャー
9632 スバル興業 レジャー スバル座
8237 松屋 百貨店 銀座、浅草松屋
7404 昭和飛行機工業 不動産 東京、昭和島駅前の不動産賃貸
8821 立飛企業 不動産 旧立川飛行機、跡地で賃貸
8842 東京楽天地 不動産 錦糸町の映画館、船橋のスーパー銭湯
8803 平和不動産 不動産 東証の大家さん
9302 三井倉庫 倉庫
9303 住友倉庫 倉庫
9001 京成電鉄 鉄道 オリエンタルランドの筆頭株主
9009 東武鉄道 鉄道 第2東京タワー
7013 石川島播磨重工業 その他 豊洲に大規模な土地持ち再開発中。
2204 中村屋 その他 新宿中村屋本店ビル、笹塚NAビル

細かいリスト

メモ程度。てきとー

鉄道

東武鉄道(9001) 東京急行電鉄(9005) 京成電鉄(9009) 東日本旅客鉄道(9020) 東急不動産(8815) 小田急不動産(8832)

不動産

三井不動産(8801) 三菱地所(8802) NTT都市開発(8933)

倉庫

澁澤倉庫(9304) ヤマタネ(9305) 三菱倉庫(9301) 三井倉庫(9302) 住友倉庫(9303) 東陽倉庫(9306) 安田倉庫(9324)

補足

村上ファンド関連銘柄

村上世彰氏率いる村上ファンドでは、含み資産株を好んで組み入れていました。「もの言う株主」として一時、株式市場の寵児となり、村上ファンドが所有していると情報が出ただけで株価が暴騰したものです。2004?2005年ぐらいに含み資産銘柄が大幅に上げたのも村上ファンドおよび提灯の力が大きかったかもしれません。しかし、阪神、阪急など少しやりすぎたか、東京地検に逮捕されてしまいました(現在裁判中)。

土地以外の含み資産

土地以外では、ゲーム、映画の版権なども資産と考えることができ、これらのコンテンツ関連業種も含み資産関連と呼ばれ買われることがあります。また、資源株も所有する鉱山などを含み資産と考えることができます。ただしこれらは、土地ではないので、上の地価イベントとは連動性はないと思います。

ニュースクリップ

このページは最初2005年に書いてして、最近(2007年)書き直したもののため2006年のクリップが抜けてます。

2007年

よみうりランドが高い、含み資産関連銘柄として再び物色の対象に(2007/2/5)
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read?f=200702051027

【テクノバーン】(2/5 10:27)よみうりランド (9671) が一時、前日比38円(5.59%)高の718円まで上昇して、東証1部値上り率ランキングでも上位に入る大幅高となっている。 先週末2日には東京都競馬 (9672) が8%近い大幅高となるなど、ここにきて再び投資家の間で不動産資産を保有する含み資産関連銘柄を物色する動きが続いている。よみうりランドに関しても船橋・川崎競馬場と船橋オートの賃貸が主力となっており、東京都競馬と業態が近いことがきょうの株価高騰につながった模様。

東京都競馬が大幅高、含み資産関連銘柄として物色の対象に (2007/2/2)
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read?f=200702021326

【テクノバーン】(2/2 13:26)東京都競馬 (9672) が一時、前日比27円(8.04%)高の363円まで上昇して、東証1部値上り率ランキングでも上位に入る大幅高となっている。

個人投資家を中心に含み資産関連銘柄を物色する動きが強まってきており本業の競馬競輪場の賃貸運営の他に倉庫賃貸なども手掛け、昔から含み資産関連銘柄と知られている同銘柄への注目度が高まるところとなっている。他にも低簿価遊休地にオフィスビルを多数保有するNTT都市開発 (8933) が一時、前日比2万7000円(11.02%)高の27万 2000円まで上昇、東急不動産 (8815) が一時、前日比70円(5.47%)高の1350円まで上昇、小田急不動産 (8832) が一時、前日比23円(4.72%)高の510円まで上昇など中堅不動産関連株が大幅高となっている。

2005年

21日の基準地価発表に向けて(2005/9/5)
http://www.syokenshimpo.co.jp/contents/uwasa/index2.html?boardno=6929 (リンク切れ)

21日に国土交通省から発表される7月1日現在の05年基準地価は相対的な値上りが指摘され、再度含み資産関連株の動意付きそうだ。なかでも出遅れ、3月高値期日通過中の倉庫株に関心が高い。穴株候補は安田倉庫<9324>で、今期13期ぶり過去最高益更新予想と業績面の裏付けがある。取り組み面からは三菱倉庫,9301>の0.11倍が妙味。

1日含み資産株高い、路線価が東京で13年ぶり上昇(2005/8/1)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050801-00000211-rtp-biz (リンク切れ)

よみうりランド  <9671>  、東京都競馬  <9672>  などのいわゆる含み資産株が高い。朝方から物色されていたが、国税庁が1日11時に05年分の相続税、贈与税の算定基準となる土地の「路線価」を発表したが、東京が13年ぶりの上昇に転じたことも手がかり材料になっているもよう。上昇幅は前年比0.4%。全国の下げ幅は3.4%だったが、下落に転じた93年分以降では最小という。(H.W)
[ラジオNIKKEI2005年08月01日]
(ラジオNIKKEI) - 8月1日12時41分更新

含み資産関連株が人気化、土地の値上がりを意識する動き(2005/3/15)
http://www.reuters.co.jp/financeNewsArticle.jhtml?type=resultsNews&storyID=7900268 (リンク切れ)

現在の相場においても似たような動きが出ている。東京テアトル<9633.T>、スバル興業<9632.T>など都心部に娯楽施設を有する銘柄などが人気化しているが、これらは保有土地の含み資産の大きさが材料になった、という。

 きょうの相場で人気化した、新三井製糖<2109.T>などの砂糖株や神栄<3004.T>などの繊維株はかつての名門企業で、含み資産の大きさが買いの手掛かりとなっている。

 人気の背景にあるのが、23日に発表される地価公示の上昇期待だ。バブル崩壊後、含み資産関連株は土地の値下がりによる資産価値の減少から、まったく人気の圏外に放置されてきた。

....

市場では、「本来、土地の含みを材料にするなら、バブル期に含み資産株の象徴的な存在だった三菱地所<8802.T>が昨年4月の高値を抜くなど、もっと買われていいはず。確かに、バブル相場の時の状況に似ているが、含み資産株の人気が小型株にとどまっている間は、慎重にみる必要がある」(みずほインベスターズ証券・投資調査室部長の石川照久氏)との見方も出ていた。

含み資産株が脚光を浴びる(2005/2/8)
http://www.kabu-shijo.co.jp/column/0218.html (リンク切れ)

かつて株式市場では、何度も含み資産株が物色の柱になったケースがあった。物色の柱にはなったけれども、実際の買収まで行ったケースは皆無である。ところが、バブル崩壊を経て株式の持ち合い解消が進んだことから、特定株主の比率が減り、買収しやすくなっているのだ。低位材料株の動きのよい銘柄のいくつかは、含み資産株であるケースが散見される。昨年来高値を更新した藤田観光、東京都競馬、東京ドーム。東証二部の立飛企業や昭和飛行機などが静かに物色されているのは、いよいよ本格的なM&A時代の到来かと勘ぐりたくもなる。

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