HOME株本れびゅ2008年亜玖夢博士の経済入門
亜玖夢博士の経済入門
橘 玲
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感想:経済理論エンターテイメント

困った人があくむ博士に相談を持ちかける→トラブルにからめた経済理論を1つ解説→ドラエモンのような助手に解決策を指示→はちゃめちゃ展開、という感じの短編が5つ。サクッと読めて面白かったです。

小学生のいじめの話がなかなか面白かった。誰がいじめのターゲットになるかと言うと、最初のきっかけはあれこれあろうが、ぶっちゃけ「運」であって、一度いじめられ出すと、負のフィードバックが働き、そこから抜け出すことは非常に難しくなる。で、いじめられるのを解決するのに一番てっとり早いのは転校すること。あるいは、ネットワーク自体を破壊することだが、それは個人には非常に難しい。あとは、気分の問題でもあるが、狭い教室以外の場所に自分の居場所を作ることと(物語の中では、最後2つの方向で、ややハチャメチャに話が進む)。

あと、闇金借金詐欺とマルチの話がナニワ金融道みたいな裏金融物語っぽくて面白かった。話のノリはちょっと軽いが、ちょっと小難しい経済理論、用語も物語の中で使われるとなかなか印象的で記憶に残る感じで。けっこう軽いノリでサクっと読めるし、電車の中で暇つぶしに読むにもよさげに思いました。

あと、ヤクザの仕手戦みたいな話も一部出てきますが、株の本ではないです。

2008/4/21

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