HOME株本れびゅ2007年αを探せ!最強の証券投資理論
αを探せ!最強の証券投資理論――マーコヴィッツからカーネマンまで
ベン・ウォーウイック 遠坂 淳一
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感想:金融工学の歴史教科書風

アルファとは市場全体の動きによらない、運用者の技能に起因する利益のこと。市場はかなり効率的だと言われているが、アルファなんてあるんだろうか?過去アルファを探し続けてきたアメリカの証券市場の近代の流れについて書かれている。そして、金融工学系から行動ファイナンスまで、キーとなる人物と理論の登場と変遷を一冊にぎゅっとまとめた感じの本になっている。

なかなか面白い本のような気もしたが、読んでいて度々眠くなった。実際昼寝に数度おちいり、斜め読みながら読み終わるのに何日もかかった。眠くなるのは、おそらく書かれている内容が今自分がしている短期売買には直接影響しないだろうなぁと思われるところ。あと、何だか歴史の教科書風に、いつごろ誰がなんとかの論文で何の理論を提唱してあーだこーだという話が次々に出てくるからか。というか金融工学などにある程度通じている人が読むとポエムも含めて読みやすいのかもしれないが、どこかで名前は聞いたようなーぐらいの人が読んでも、解説があっさりな上に、内容があっちこっちに飛びまくってよくわからん。あるファンド運用者の例とかでギルゴア・トラウトとウィンストン・スミスとか言われても、リアルな例なのか架空の典型的な人物の例なのかさえわからん。そして脳への刺激が中途半端になり眠くなる。。。しかしこの本に出てくる人物や理論というのは投資理論の世界ではキーとなる人や理論だと思うので、一度ちゃんと整理しておきたい気もした。

余談だが、「アルファを探せ」でぐぐると「アルファブロガーを探せ」というページが複数ひっかかる。この本は、あまりメジャーな書籍ではないようだ。

2007/6/26