感想:情報遮断 ★★★★
題名はインチキくさいですが、良書です。
早耳情報で失敗し、ファンダで失敗し、たどりついたテクニカルによる売買手法。
「ボックス理論」ってこの人が考案したんですねぇ。へぇ。
本の中でくどいほど、情報に惑わさないことが書かれている。惑わされるくらいならプリミティブな情報(価格、出来高)以外見ない方がいいと。
一方、完全なテクニカルではなく、収益性の改善や成長性を重視したファンダの点を考えるところが、テクノ・ファンダメンタリストと言ってる所以か。
そして損失をおさえ、塩づけにならないような、ストップロスを必ず利用している(ちなみにストップはボックスの下限のちょっ と下におくので、そこが抵抗ラインとして機能すれば踏まれる頻度は少ないはず)。
ふと思ったが、ダーバス氏、最初の早耳情報のころからロスカットは早かったみたいだ。
度々損は出すが、塩づけにせず、致命的な損は回避していたっぽい。
だから逆に、最初の自身を持ってファンダに基づく投資をしたときに、半塩づけで損害を出したのが痛かったのかも。
この本は、読み物としても面白い。電報で株価を送ってもらうときに、スパイと思われたとか、
一番疑い深かったのは日本だったとか。
しかし、大成功したダーバス氏ですが、晩年はパッとしなかったらしいです。情報ソース未確認なので、どんな様子かわからんですが、相場で成功しても、晩年落ちぶれる人もたくさんいますねぇ。
http://www.kaiseki-kun.net/book.html
で、何ゆえ、この第3話は除外されたのか?というと、先生曰く、「ニコラス・ダーバスは、晩年、ロンドンの下町で落ちぶれた姿を目撃されたのを最後に消息不明になったと言われており、要するに、彼は相場において有終の美を飾れなかったのだ。一時的に大成功した投資家は多いが、有終の美を飾ってこそ、本当の成功者である。」
2006/3/1レビュー