HOME株本れびゅ2006年金融広告を読め
金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか
吉本 佳生
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感想:ボッタクられないために ★★★★

銀行も商売なんで、なるべく儲けよう(手数料をとろう)と考えるのは当たり前。要は、商品に設定されている条件が「妥当なものかどうか」を判断することが重要。この本はその判断をする上での考え方や、よくあるボッタクリの例を示している。

辛口でなかなか面白い。最近流行りの頭の体操にもなるかも(この商品は何が問題だろう?と考えて)。

・ちゃんと読むとボッタクリ商品だとわかる正直な広告は、価格差別のためにそう書かれているという主張が面白い。その広告を見てボッタクリだと気づかず来店するようなアホな客からボッタクルのだと。
・預金はインフレに弱くは"ない"。今超低金利だからといって、途中解約が困難で長期で固定金利の金融商品を買うのは考えもの。
・他に有利な代替商品がないか考えよう。単に手数料をとってその有利な代替商品(の組み合わせ)で運用しているだけということがままある。
・セット商品は、世間一般では単品より割安なことが多いが、金融商品に限っていえばかえって割高なことが多い。金融セット商品は、複雑にすることで詳細をかくしてボッタクリの構造をわかりにくくするために開発されたもとしか思えないものも。
・銀行の外貨預金はまさにボッタクリ。外貨MMFやFXの方がなんぼかまし。市場原理が働かないのはカモが多いためか?
・高所得者向けのプライベートバンクの多くは「金融サービス業の高級ホストクラブ」。高級ホストクラブでは、「女(男)としてチヤチヤしてくれる」のにたいし、プライベートバンクは「金持ちとしてチヤチヤしてくれる」。どちらも、バカ高い料金、手数料がかかる(辛口!)。
・ステップアップ型死亡保障付の変額年金保険はめずらしく客に有利な商品だった。そのため保険会社の経営が悪化した。
・ファンドオブファンズは、2重に手数料を取られる
・EB債の話もあり

2006/6/28レビュー