2007年7月16日(月/祝日)の午前中に新潟県を中心に地震が起きてから1週間が過ぎました。被災された方にはお悔やみ申し上げます。ここは株式投資のサイトなので、地震で動いた株についてメモしておきます。
震源の場所が地方だったのと規模もそれほど大きくはなかったため(例えば阪神大震災や2004年の新潟県中越地震に比べて)、経済全体への影響は限定的と考えられました。メーカーの工場などがたくさんありますが、ほとんどのメーカーは被害は小さく操業に支障はありませんでした。実際、地震の翌日の日経平均は高く始まりました。
ただし、刈羽原発で火災が発生し、微量の放射能が漏れたことが波紋を呼びました。また、リケンなど一部のメーカーの操業停止が意外な波紋を呼びました。
地震は基本的には、株式市場にマイナスですが、例外的に「復興需要」というものが期待されます。壊れた道路や家を直す必要があるので、建設業界を中心に特需があります。この需要は、特に地震があった地域の建設業者などが恩恵を受けます。
地元の植木組(1867)、福田組(1899)などは、2004年の地震のときも、大きく上げた経緯もあり、地震翌日の火曜日はストップ高でした(植木組は比例配分、福田組は比例もなし)。
参考 新潟県中越地震と福田組&植木組(2004年のときの話)
特に植木組は、高額逆日歩の思惑もあり、大きく株価が動きました。
参考 植木組 2匹目のドジョウ(今回の動き)
なお、北野建設や真柄建設などは、地震翌日でなく、たまたまその前の先週から上げていました。
今回の地震で大きなニュースとなったのは原発です。東京電力の刈羽原発で火災が発生し原発は緊急停止しました。火災は無事消化されましたが、後で放射能を含む水が外に出てしまったという続報がありました。非常に微量でメルトダウンとか環境に影響とかいう話ではないですが、「絶対安全と言っていた日本の原発で放射能が漏れたのは初めて」のことでニュースになっていました。さらに、「ここって地震がないとこって言ってなかった?海底断層調べなきゃ(半年はかかる)」「消火活動に不備があったし連絡もおそいど、また隠蔽か」とかお叱りがあり、当分刈羽原発の運転は停止することになりました。
東京電力(9501)は、地震の翌日(7/17)はギャップダウンしました。翌日くらいはちょっとした事故で売られたぐらいの雰囲気でしたが、その後しばらく操業停止という話になってきて、ちょっとした事故でなく業績も大きく落ち込みます。東京電力は連日売られました。
東京電力の日足チャート
また、海底の断層調査の思惑で応用地質が買われました。また、今年は猛暑らしいですし、電力が足りない分を他社からもらわなきゃといことで、東北電力が上げました。石炭、石油関連なども少し上げたみたいです。
その他 参考
ニュースクリップ
地震の影響でもう一つめずらしかったのはリケン(6462)です。地震の影響で復旧まで操業停止になり、地震の翌日(7/17)は売り込まれました。ところが、リケンが操業停止になり部品が納入できないと、自動車メーカーも操業停止に追い込まれるということになってきました。リケンは自動車メーカー向けのピストンリングを作っていたのですが、ほとんどのメーカーがこの部品を使っていて、さらに在庫は持たない主義でやっていたので、部品の停止の影響で自動車本体までも作れなくなってしまうというのです。このことが、「リケンってそんなに重要な位置にいたんだ」と思われることになり、今度は買いなおされました。
リケンの日足チャート
ホンダやトヨタなど自動車メーカーも売られるかと思いきや、一時的に操業停止になっても、後で増産とかするだけっぽいので、あまり影響はないようで、あまり売られなかったようです。
その他 参考
ニュースクリップ
地震→復興需要というのは毎度のことですが、東電やリケンなどは、ちょっと意外な動きでした。何かイベントがおきたときに、それがどのような(現実的にまた思惑で)影響を呼ぶのかを予測して先に動くことができれば、株式市場での投機がうまくいくでしょう。なお、今回の地震関連は、私は「見てただけ」だったので、特に損も得もありませんでした。自分で売り買いしてないので、やや真剣味と記憶が薄く、ニュースの前後関係や正確さはちょっといいかげんかもしれません。