作成 2005/7/21

テクニカルはあてにならない?

売買記録

4502 武田薬品工業(東証1部)

日付        売買     枚数   価格
2005/1/11  信用買     400   5050
2005/1/14  信用返売   400   4920
2005/1/14  信用買     400   4920
2005/1/24  信用返売   400   4860

-798,59 / 10日
(1回目 -53,784  2回目 -26,075)

出来事

武田薬品。毎年確実に売り上げを増やしていおり借金もほんどない好財務の安定銘柄。2004年12月、ファイザーの副作用や糖尿病の開発中止などのニュースを受け一時的に下げていました。しかしそれらのニュースは一時的なもので、武田の将来性を左右するほどのものではありません。2005年明けても武田は徐々に下げていました。RSIやボリンジャーバンドなどを見ても通常はありえないほど下げつづけていました。

「もうこれ以上は下げないだろ」僕はチャートで十字線(トレンド転換のサイン?)が出たところで買いを入れました。武田は値動きの激しい株ではないのでいつもより多目の400株200万円ほどの買い建玉です。

しかし武田は下げつづけます。国際的M&A狙われ銘柄として武田の名前も聞きます。「これ以上下げる理由はないだろ」しかし下げ続けます。

評価損が5万円を越え(自分の中の一応の損切りライン)、僕は武田を損切ります。

しかし売った後、どうも気になります。そろそろ上げるんじゃないか。僕は再び武田を買います。

しかし武田の株価は冴えず、下げどまりはしましたが、上がる様子はありません。ちょっと上げそうな日があっても、終値では元にもどります。何日かそんな様子を見て、僕は我慢しきれなくなり、武田を売ります。さようなら武田。。。。

後で見直してみると、僕が売ったところが底(もうちょっと長い目では押し目)のようでした。武田はその後、徐々に株価を回復していきます。

考察

トレンドとオシレータ

テクニカル分析で使われる指標には大きく「トレンド」系の指標と「オシレータ」系の指標があります。トレンド系の指標は「株価の方向」を判断するものです。株価は細かく上下しますが、ならすと上昇基調にあるか、下降基調にあるかを示すものです。代表的なトレンド系指標には、移動平均、MACDなどがあります。一方オシレータ系の指標は、「株価の行きすぎ」を示すものです。ながーい目では株価はファンダメンタルを反映して動きますが、短期ではそれに関わらず上下します。短期で上下しすぎた株価は、平均にもどっていくと考えられます。オシレータ系の指標にはRSI、ボリンジャーバンドなどがあります。

トレンド、オシレータの他にパターンによるものがあります。グランビルの法則や逆三尊、ヘッドアンドショルダーなど

トレンド指標を見て、その方向にのるトレードは順張り。オシレータ系指標を見てのいきすぎの逆のトレードは逆張りになります。教科書的なテクニカル分析でのトレードは、長中期のトレンド指標に順張りし、短期のオシレータ指標に逆張りする方法です。つまり「長期上昇銘柄の押し目で買う」わけです。

テクニカル分析はかっこよく言うと次のようになります。

テクニカル分析は応用社会心理学であり、群集の行動を分析して儲ける技術です
(by 投資苑2 まだ読みかけ)

買う人と売る人、順張りと逆張り、トレンドとオシレータ

売買は売る人と買う人がいて成り立ちます。株価はそのあと、上がるか下がるかします。株価が上がると買った人は得をし、売った人は損をします。株価が上がったとすると、その前に買った人は「正しい判断」をし、売った人は「間違った判断」をしたわけです。つまり、ある時点とその後のある期間において、必ず「正しい判断をした人」と「間違った判断をした人」がいるわけです。

テクニカル指標はトレンド系指標かオシレータ指標のどちらに使われます。しかし、多くの指標はそのどちらにも利用できます。例えばボリンジャーバンドは通常オシレータとして利用します。ボリンジャーバンドの2σの中に株価の動きがおさまる確率は確率は95.5%で、ボリンジャーバンド2σを越えることは普通はないと考えます。しかし「ふつうはない」ので、「元にもどる」と考えるか「異常な(新たな)方向に動く」と考えるかは人次第です。2σオーバーを、いきすぎと考えず、新たなトレンドと見なすことができます。つまり

オシレータ指標は、逆に見るとトレンド指標になる

RSIの30%をわって下げ続ける。70%以上に上げ続ける。そういうこともたまにあります。そしてたまにあった場合は長く続くこともあります。RSIが70%を越えて上げ続ける。それは上昇の大相場です。

オシレータ指標での逆張りは、大相場では逆効果

今回のトレードでは、オシレータによるもうこれ以上は下がらないだろうという判断をしていましたが、それは必ずしもあたりません。オシレータにより判断していると、下がりすぎた株価がさらに下がるとよりお買い得に見え、キリがありません。

テクニカル分析は過去の株価と出来高から、過去の例ではどちらに株価が動きそうかを判断できます。しかしその判断は、単に株価の足跡で判断したものにすぎません。テクニカルには、"ファンダメンタルにもとづく実需や何らかの理由による大口の売買などによる需給"などと違い、ある傾向しか示しません。また市場の傾向は時代とともに変わっていくもので、過去のパターンが将来もあてはまるとは限りません。

テクニカルは統計的、科学的手法ではない

のです(確率的な指標はありますが、その指標だけを見て勝てるものではない)。絶対的な指針ではないものなので、指標どおりの動きにならないときは撤退が吉です。いきすぎの逆張りでさらにいきすぎ、にはロスカット、そういう意味では今回は負けましたが、まぁ間違った行動はしてなかったかと(ロスカットしなかった方が結果論としては正解ですが)。

短期は損気?

長い目で見ると、2005年1月の株価は、上昇トレンドの押し目でした。もう少し長いスパンでの取引も必要だったかもしれません。まぁ今回はもともと短期スィングのつもりだったので仕方ないか。。。しかし僕のトレードの逆を行くのが利益を出すトレード方向だったようで。初心者?はどうして、こう儲かる方向の逆を行くのか不思議です。

まとめ

じゃあ「テクニカル分析はあてにならない、オカルトか」というと、そうでもないような気もします。じゃあ、何が言いたいのか、なんだか結論のない考察ですが、もうちょっと頭が整理できたらまた書きたいと思います。



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