HOME株本れびゅ2008年東京外為市場25時
東京外為市場25時 (徳間文庫)
大下 英治
4195774934

感想:チャーリーですか

伝説の為替ディーラー、チャーリー中山こと中山茂氏をモデルとした為替ディーラー小説。

最初の方はスリリングな感じで面白かったが、ナンバー1ディーラーになった以降は、まったりした感じで眠くなった。登場人物もたくさん出てきすぎて、誰が誰だかよくわかんなくなる。各キャラにモデルとなる実際の人物もいたり、実際の相場、ディーリング、発言をベースにしたのもあるようで、その時の人物や相場を知っていれば面白い感じだった。自分は元の人物も当時の相場も全く知らなかったが。

昔の為替市場では、この本にあるように、誰がいくら買って誰が売ったかなどが、分かったようで、買いと売りの本尊同士の一騎打ちみたいなのも実際あったようです。昔の株式や商品市場も、電子化される前に取引所でガヤガヤやってたころは、手口がわかって面白かったそうですが、今や電子化されて、手口も非公開で、匿名での殴り合いなので、顔が見えない点ではイマイチ面白みに欠けるな、と思った。

「クビになるほど大損こいた後、書類偽装捏造して、大勝ちしてセーフ」とか「自分が賭けた方向と逆に動いたから、倍のサイズでドテン、するのが得意技」とか、アホかと思った。小説のストーリー上、ピンチからの逆転ってのは欲しいとこだとは思うが、実際のディーリングで、そんなマーチンゲール法で勝ってても何も偉くない。それを、かっこいいことのように書いてるのは、何かダメくさい感じがした。あと、平日24時間働いてるのはいいけど、為替は土日はある程度休めるんじゃないのだろうか。そうでもなかったのか?よくわからんけど。

この本は「8割の男」→「東京外為市場25時」→「伝説のディーラー」と改題、改訂されたようです。新しい版があるって知らなくて、自分は、真ん中の奴を読んだ。

2008/4/27