HOME株本れびゅ2007年実戦デイトレーディング
実戦デイトレーディング―株取引、革命バイブル
串田 誠一
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感想:机上の空論

串田誠一氏の提唱するクシダメソッド(串田メソッド、KM法)を解説したハウツー本。クシダメソッドという名前がちょっとカッコイイと思った。この本で解説されているクシダメソッドとは次のような方法らしい。

ジャンルで言うと、デイトレのスキャルピングで、エントリーと仕手舞いルールを決めて、それを機械的に行う。この方法は一見うまくいきそうにも思えるが、実践では機能しない。

上のルールを守って機械的に売買して得られるのは、50%の勝率。だが実際には、手数料コスト、指値注文の順番、成行注文の不利などで、50%をけっこう下回ると思う。本でもそのあたりの問題点は一応さらっとは書かれており、そのまま使ってもダメで、銘柄選びなどを工夫すると言ってはいる。しかし、本に描かれてている、上髭が多いとか、25日移動平均線で調整とか、寄りでなく下げたらとこでエントリーとか、あれこれは、どうも機能するのだか疑わしい。

ぐぐってみると、こんなコメントを見つけた。

クシダメソッド実践してる人いる?

8 名前: 2 投稿日: 01/12/30 00:02

おいらも およそ半年くらい前に買ったよ。
確かに理論的には、儲かりそうなんだよ。
でも、東急建設のような低位株で、1〜2円のサヤを抜くというけど、
1千株ならまだしも、10千とか20千だと、売るときに全部約定できない
可能性がある。

さらに 54ページと177ページをよくみて欲しい。
高値が届いてないのに、売却できたりしている。
この点を先生や、HPの人たちにメールで指摘しても、返事なし。
また、高値と同値では。10千株単位が、あれほどきれいに売却できるとは
思えない。

54ページに実際の取引履歴があるが、実際のデータ(Yahoo時系列データ)と比べてみると、明らかにおかしい。10/5は75000株、10/6は68000株しか出来高ないのに、著者が10000株で2ティック抜くなんて奇跡すぎ。そして10/25、10/26にいたっては、高値以上のありえない売値で売却している。これは捏造ですね。。。。このようなこともあり一部では、クシダメソッドはクソダメソッドなどと揶揄されているようです。しかし、バーチャ手法の本を書くにしてもお粗末すぎる。。。著者は弁護士や漫画原作など幅広く活動しているらしいが、こんなお粗末な本を出して、名前に傷がつかないのだろうか?心配です。

バーチャ手法なのはおいておいて、この本が出たのは2000年頭。オンライントレードがようやく普及しはじめたときに、既にデイトレ、スキャルピング、機械的売買(システムトレードに通じる)などの手法を言っているところが、ちょっと先進的だとは思った。また、当時のオンライン証券の手数料体系(Eトレ100万で2500円とか)や買った当日売れない証券会社があるなど、なんだか時代を感じる記述はちょっと面白かった。手法はバーチャですが、短期売買といっても、スィング売買しか頭になかった人などは、頭の体操のつもりで、この本を読んでみるのも悪くはないかもしれません。

2007/10/18