過去ファンドマネージャーとして数千社の会社訪問と経営者のインタビューなどを通して出来上がった、著者の会社哲学を書いた本。話のタネに面白おかしく書いてみた話、一面的な見方の話も多かったが、なるほど?、そうだなぁ?と思える話もちらほら。
記憶に残ったのが、「過去のエピソードばかり語りたがる社長の将来性は乏しい」という話。将来のビジョンがあって、今それに一番情熱をかけてるなら、話したいのは将来や今のことになるはず。さらに、成功した人がTVで自慢話や成金ぶりを見せ付けるのも日本人には妬みの対象になるだけでいいこはないとも。上場したことで燃え尽きちゃう社長もいるとか。私にはスタートだったの、あなにはゴールでもーとかいう歌詞をなんとなく思い出した。
過去、投資で成功した投資家でも、本書いたりTVに出たがるのは、インチキを除外しても、相場の世界では「終わってる」人(今後、また相場で儲けてやろうという情熱はない人)の話なのかもなぁ、と思った。
ちなみにスリッパの法則というのは、いちいちスリッパに履き替えたり、従業員に体操を強制するような会社は、「合理的でない」ことを行っていて、たぶん他にも無駄があそこやここらにもあるダメ会社だろうというお話。もちろん、極寒の地の会社、小規模の体をつかう作業所などで、そういうことをするのは理にかなってるので、問題はないと。
2007/2/26 レビュー