板情報を読むときのアイデアにならないかなと思ってオークション理論の本を読んでみた。気力と理解力が及ばず、途中から流し読みしかしてないので、以下、全くトンチンカンな感想かもしれない。
本自体は教科書チックでイマイチ眠かった。本格的なオークション理論本をやさしくした簡易版のような感じのものらしく、(自分で勝手に期待していた)電車の中でサラリーマンが読んで興味がもてるような書き方ではなかった。すぐ理論間の関係説明とか証明とかしたがるし、例も算数の問題みたいな無機質な感じで、もっと現実世界にいろんなオークションがあるんだから、もっとそういうのとからめて説明すればいいのにと思った。
あと、需給、心理、時間などについての話題がなかった気がする(時間については、終了間際のスナイピングについての話があったら、そういうのでなく、早く売りたい買いたい人の持ち時間)。例えば、イギリス型のオークション(普通のオークション)で、徐々に値段を上げるのでなく、イッキに上げて他人の入札する気をくじくとか、よくある戦術(?)のような気がする。あるいは、値段を上げていくうちに、熱くなってきて、当初予定よりはるかに高く入札してしまったりとか。または、すぐ売りたい人は安くても売ってしまうだろうしとか。そのへんについての話題がなかった気がする。そういうのはひっくるめて不完備な情報ということで、それらに依存しない理論の話なのか、それともそのへんは教科書にはのってない話なのか。
とりあえず、いくつか気になった用語をメモしておきます。
株式市場の板情報のようなオークションは「ダブルオークション」という種類のオークションらしい。普通のオークションは、1つの売るものがあって、複数の買い手が値段をつけていくが、板の場合は、買いと売りの両方でオークションをするから。
ネットのオークションでよくある問題の一つに「架空名義入札」というのがあるらしい。サクラみたいなもので、自作自演で値段をつりあげたりするやつ。株でいうところの「見せ板」とか「クロス取引」みたいなもんですかね。
入札するときの価格の基準となるものに、個人価値(自分にとってどうか)、共通価値(他人にとってどうか)みたいな分け方があるそうですが、共通価値に基づき入札していくと、勝者の災い(winner's curse)という現象が起こるそうです。
共通価値の場合、特別に良い情報などを持っていない場合、もっとも楽観的な誤った推定値をもった入札者が落札してしまい、たいていそれは高値づかみになるようです。グレーターフール理論とかにも通じるものがあるような気がする。
2007/10/30