最初の証券会社営業時代の話はなかなか面白かった。あと、「証券会社調査部長の株式売買ノート」なる悪い見本をあげて、証券会社や投資顧問のインチキくささをあげつらっている文章は秀逸だと思った。「プロパガンダに騙されるな」「株の関係者はインチキ多すぎ」「株の動きにはある種のパターンがある」みたいな部分は納得できる。
一方、売買手法や上達のためのアドバイスは全く根拠がないと思った。場帖つけるとか、逆張り分割とか、全く効果なし。相場に必要な「感覚的なもの」を身につけるために丁稚奉公のように努力せよとか、もし「感覚的なもの」が全くのデタラメだったら、インチキ宗教ですよそれじゃ。あなたが退職後に退職金と暇の使い道を検討しているとして、この手の手法を布教している団体に金を貢いではいけない。
昔読んだ立花義正氏の本もこの本と似た感じだが、立花氏の本の方は手法解説が少なかったおかげもあり、エピソードだけが感動的だったが、この本はなんだかインチキくさいな。
2007/6/7