HOME株本れびゅ2007年お金の現実
お金の現実
岡本 吏郎
4478733090

感想:夢はない

株や投資の本ではないが、経済一般やお金哲学系の本もあれこれ読んでいこうと思う。この本は、ヤップ島のフェイでぐぐってて見つけて買ってみた一冊。よく知らない税理士?コンサルタント?おやじのお金哲学らしい。

著者が自ら言うとおり現実的で夢のない本ではあった。投資やトレードに関する本ではないが、こんな記述があった。
「お金を働かせる」と称して、デイトレードなどに手を出す人もいる。冷静に考えれば、数%の本当のプロの餌食になるだけ。仮に最初は儲かっても、待っているのは、そういう結論だ。私が考えも及ばない天才的な人は別だろうが、"平均的"である限り待っていることは、そういう結論になる。
現時的で夢がないが、まったくそのとおりかも。。。厳しい世界です。て、あれ?俺って夢追い人だったのかなぁ?

夢はない本だったが、お金哲学で面白いところが何箇所かあった。

夢を追う人と現実的な人は理解しあえず、お互いをバカにし合う。漫画「バルバラ異界」
宝くじを確率で論じるなんて愚の骨頂
・お金儲けは汚い主義のボランティア団体やNPOはダメポ
・最も大切な財産や金銭の話をぼんやりとさせておいて、いわゆる処世訓を述べることなぞ矛盾もはなただしい(本多静六「私の財産告白」)
・いかなる場合でも虚言をもって自分の一時の都合を図って他人の迷惑を犠牲にする如きは断じてなすまい(安田善次郎)

勝手にまとめると、お金をためるには、まず節約すること。そして、凡人がお金をかせぐには長い時間をかけるしかないと。10年くらいかけて専門スキルやノウハウをためると競争社会の中でも優位性が高まり時給(収入)が上がって裕福になるらしい。ていっても、時給も需要と供給だから、同じことしてる人が多ければ、時給は低いままだし。だから大衆と違うことをするんだとー、って言ってもそういう知恵がないから凡人というんでないのか?
以前、「努力すれば報われるんですか?」と聞かれたことがある。 そんなことはわからない。逆に問いただしたい。 「成功のお墨付きがないならば、努力をしないんですか?」と・・・ 努力すれば成功するかどうかはわからない。世の中に絶対なんてない。
どうも著者の主張で凡人と変人が行ったりきたりしている気がする。まずは愚直に節約と努力をせよ。しかし儲けるには人と違う知恵が必要だ、ということか?ロジカルシンキングがポリシーっぽいけど、最後の方は根拠不明な精神論が先行してる気はした。まぁ哲学だし、最終的な根っこの部分は根拠でなくて感情になるしかないのかな。

あと、子供へのお金教育はなかなか面白い話ですが、自分が子供だとして、税金ごっこで強制貯金させられたり、クーラーのない暑い家に住むのはイヤだな。


2007/1/13

追記:裏本というのも読んでみた。1章は著者の個人的体験や意見が書いてあって面白かったけど、2章以降は、ちょっとした経営者、富裕層オヤジが好きそう?な精神論が多くてイマイチ(2007/2/10)