感想:漫画ならいいけど ★
桜井章一、雀鬼流。昔から名前は知っていたが、勝負論、精神論とかで株に通じるものがあるかもということで、読んでみた。子供時代から代打ち時代のことをふりかえるところは、面白く読んでいた。勝負では「気づき」が大事、いい意味の「はしっこい」やつが強い。とか、なるほどそうかもなー、もっと名セリフたのむぜーとか期待して読んでいたんですが。。。
途中から、俺の考えとは全く違う精神論、勝負論が展開されてきて、気持ち悪くなって途中で読むのを断念した。金持ちや権力者への感情的批判は無視すれば気にならないが、筆者の土俵である、麻雀や勝負の世界の哲学が馴染みません。これは勝負に強い人の思考というより、負ける人にありがちな精神傾向という気がするのですが。。。↓
・技術、期待値よりもツキ、流れを重視する
・負けを人のせいにする傾向がある(c.f.「場を壊す」ことに異常に批判的)
・プライドが高すぎる
「2位になって弟子からあの手は間違いじゃないですか?と指摘されて、2位になるためにわざと間違えたと答えた」「ラスベガスのカジノで遊ばなかったのは、勝つのが決まっていてつまらないから」とかおかしいって。そんなに負けがいやなのか?自分のイメージが大事なのか?と思えた。
青少年に礼儀作法を教えたり、勝ち負け以外の大事なものがあることを強調するのはよいことですよ。でも、麻雀って点をとりあってトップを目指すゲームですよ。家族麻雀じゃないんだから、一応ゲームとして勝ちにいくことを第一にしないとおかしいのでは。なんか、真剣勝負を履き違えてる気がする。
「流れ」の話とか、なんとなく漫画アカギのモデルになった人物のように思える。漫画ならいいけど、この本で書かれている論というのは、とても実戦に通用するような技術、精神論じゃないと思えた。さらに邪推するならば、あえて、勝敗とかけはなれたキレイ事を必要以上に強調されると「20年間無敗というのは、もちろん地力もあっただろうが、最大の勝因は人並みはずれたサマ技術だったのか。その過去を隠蔽したい」のかなーと妄想してしまいます。まぁ妄想の域ですが、とりあえず俺にはあわんわ、この人の考えは。
2006/11/4レビュー