感想:ガキですか? ★★★
大和銀行巨額損失事件の当事者の井口氏の暴露本。大和銀行ニューヨーク支店のトレーダーとして12年間!も損失を隠したというのが驚き。
読み終わって、感情的には次のように思う。
父ちゃん、俺カジノで100万円すっちゃった。正直に言うから許してよ。父ちゃん金持ちだから100万くらいどうってことないでしょ。兄ちゃんが万引きしたときだって、なんとかもみ消したじゃない。。。って正直に「告白」したのに、僕は警察に売られるの!?父の日プレゼントのためにがんばったんだよ!なんで!?そもそも父ちゃんが僕をかまってくれないからこんなことになったんだよ!ムアツク父ちゃん。
って論調です。ガキか。おまけは!?
ていうか、トレーダーとしても井口氏は、中途半端な感じを受ける。ライアーズ・ポーカーの章で3億ドルの損を出した話があるが、「なぜトコトン勝負に出なかったのか?」。既に一線を越えているのに何を守ろうというのか?死ぬまで戦えよって感じ。そこでふんばってれば今頃違う人生だったかもしれないのに?(まてよ。でも、それで負けるとリーソンくん状態になってしまうな。。。)
投機が金を多く持つ方が勝つゲームならなんで大和という無尽蔵の後ろ盾があって負けたんだよ!?ファンダが読めてなかった、ブローカーに騙されてる。とか、何か負ける敗因があったんじゃないかなーとも思う(と思う一方、そのスケールに、自分がミジンコだということも感じた)。
と、読み終わってみて率直な反感は沸くが、本としては面白い。俺は門外漢なので判断つかないが、金融機関や政治に詳しい人はもっと面白く読める裏話っぽい話もいくつかあった。やや反感は沸くがつまらない本ではなかった。
本から教訓を学ぶとすれば、次のようなことか。
・めいっぱいポジションをとるのは危険。逆に動いたときの損切りは難しい。
・社畜は損デス
うーむ。
2006/6/23レビュー