HOME株本れびゅ2005年敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか
敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか
チャールズ・エリス
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感想:内容はよさげだが感情的につまんない ★★


個人投資家向けの投資戦略の本というよりは、ファンド運用の心構えみたいな本。
運用機関は市場に勝てない。なぜなら「市場は運用機関の総和」だから。短期的に勝つプレイヤーと負けるプレイヤーはいるが、長期的に勝ち続けるプレイヤーは0に等しい。

ならすと平均値になるのは当たり前だが、「まわりもみんなプロなんだから平均以上に勝つのは難しい」、「もっと長い目で見てください」という、成績の思わしくないファンドマネージャの言い訳くさく聞こえた。つべこべいわずさっさと成果を出せみたいな。って、著者はファンドマネージャじゃなくてコンサルか。言い訳言う必要はないから本当にそうなのか?
ファンドに重要なのは基本方針で、運用時にその方針を一環して守ること。そして出資者に説明責任をはたすこと。そして、ファンドの成績が運なのか能力なのか判別するのに何十年もかかる。

「長期戦略は長期で判断する」。当たり前だが、個人でも組織でもそれがいかに難しいか。難しいのは、その戦略が正しいかどうか不安だから、というのもあるが、環境がどんどん変化していっているから。しかし、多くのファンドマネージャーというのは、日々の仕事で自分の判断というものはほとんど行えず、説明用の資料をつくることに忙殺される危篤な人たちなんだろうか?

若干否定的なコメント書きましたが、いい事もたくさん書いてる本な気がしました。しかしファンドってよく知らないし。多くの株をやってるヤマシ的な人には、インデックスファンド買えなんてすすめても「そんなのつまんない」と言われるかも。

2005/7/17レビュー